LinuxMint/ubuntuにWine 11導入を試しました ( LinuxMint 21.3 / 22.3 ubuntu 22.04 / 26.04 Wine 11.0 / 11.6 / 11.8 / 11.13 )
Wine環境でWindowsアプリが動作しない場合の考察と対策
最新のWine 11を利用しても、一部のWindowsアプリケーション(Acrobat Reader等)のインストールや起動が失敗するケースがあります。技術的な背景と、現場で役立つ代替アプローチを整理しました。
1. 起動・インストールが失敗する主な技術的理由
- 厳格なレジストリ要求:大手メーカー製のインストーラーは、Windows固有の複雑なレジストリ構成を要求するため、Wineの標準レジストリでは処理が途中で強制終了します。
- .NET Frameworkや各種ランタイムの未導入:アプリが依存している特定のランタイムがWine環境側に不足しているケースです。
- セキュリティ認証・暗号化:最新のアプリに組み込まれているデジタル著作権管理(DRM)や通信暗号化機能が、WineのAPI互換性を超えている場合があります。
2. トラブルを解決するための3つのアプローチ
Wine上でWindowsアプリを安定して動かす、または目的を達成するためには、以下の対策が有効です。
- 対策1:winetricks を活用して必要なコンポーネントを補う
今回の日本語化(cjkfonts)と同様に、winetricks dotnet48 や winetricks vcrun2015 などのコマンドを用いて、アプリが必要とするランタイムを個別にWine環境へ追加導入します。
- 対策2:単体で動作する「ポータブル版(.exe)」を選ぶ
インストーラー形式(.msi や setup.exe)ではなく、フォルダを展開するだけで単体動作するポータブル版(HDBENCHなど)は、レジストリ依存度が極めて低いためWine環境と非常に相性が良く、高確率で動作します。
- 対策3:Linuxネイティブの代替アプリを検討する
Wineに依存せず、Linux標準のリポジトリから導入できる互換アプリ(例:Acrobatの代わりに「Okular」や「Evince」、MS Officeの代わりに「LibreOffice」)を利用する方が、システムの安定性と処理速度の面で圧倒的に有利です。
1.概要
Wine環境でWindowsアプリが動作しない場合の考察と対策
最新のWine 11を利用しても、一部のWindowsアプリケーション(Acrobat Reader等)のインストールや起動が失敗するケースがあります。技術的な背景と、現場で役立つ代替アプローチを整理しました。
1. 起動・インストールが失敗する主な技術的理由
- 厳格なレジストリ要求:大手メーカー製のインストーラーは、Windows固有の複雑なレジストリ構成を要求するため、Wineの標準レジストリでは処理が途中で強制終了します。
- .NET Frameworkや各種ランタイムの未導入:アプリが依存している特定のランタイムがWine環境側に不足しているケースです。
- セキュリティ認証・暗号化:最新のアプリに組み込まれているデジタル著作権管理(DRM)や通信暗号化機能が、WineのAPI互換性を超えている場合があります。
2. トラブルを解決するための3つのアプローチ
Wine上でWindowsアプリを安定して動かす、または目的を達成するためには、以下の対策が有効です。
- 対策1:winetricks を活用して必要なコンポーネントを補う
今回の日本語化(cjkfonts)と同様に、winetricks dotnet48やwinetricks vcrun2015などのコマンドを用いて、アプリが必要とするランタイムを個別にWine環境へ追加導入します。 - 対策2:単体で動作する「ポータブル版(.exe)」を選ぶ
インストーラー形式(.msi や setup.exe)ではなく、フォルダを展開するだけで単体動作するポータブル版(HDBENCHなど)は、レジストリ依存度が極めて低いためWine環境と非常に相性が良く、高確率で動作します。 - 対策3:Linuxネイティブの代替アプリを検討する
Wineに依存せず、Linux標準のリポジトリから導入できる互換アプリ(例:Acrobatの代わりに「Okular」や「Evince」、MS Officeの代わりに「LibreOffice」)を利用する方が、システムの安定性と処理速度の面で圧倒的に有利です。
Wine 11.0がリリースされました。メジャーアップデートで「Wine 11.0 6300以上の変更と600件以上の不具合修正を反映」と記載されています。早速、試してみることにしました。少し前にWinBoatを導入したことと比較すると、とても簡単でミスをすることはありません。しかし、Windowsのアプリを動かす意味を考え直すことになりました。
ubuntu desktop 26.04をKVM環境で評価しているので、Wine 11.13(最新版)導入を試しました。手順はWikiに記載されている手順で問題なく実施できます。詳細手順は、4.追加に記載します。
2.詳細
環境は、intel i3, Memory 16GBのPCにLinuxMint-21.3を新規導入しました。
Wine 11.0の導入手順を見つけるのに少し手間取りましたが、Wiki/Debian-Ubuntuに詳しく記載されています。
その手順に沿って作業を実施しました。
$ cat /etc/os-release
$ sudo mkdir -pm755 /etc/apt/keyrings
$ wget -O - https://dl.winehq.org/wine-builds/winehq.key | sudo gpg --dearmor -o /etc/apt/keyrings/winehq-archive.key -
$ sudo dpkg --add-architecture i386
$ sudo wget -NP /etc/apt/sources.list.d/ https://dl.winehq.org/wine-builds/ubuntu/dists/jammy/winehq-jammy.sources
$ sudo apt update
$ sudo apt install --install-recommends winehq-stable
$ wine --version
$ sudo apt install winetricks
$ winetricks cjkfonts
$ winetricks --version
上記手順でWine 11.0の導入が終わります。3分間程度なので負担はありません。日本語環境も導入しました。
何をしようかと考えて、動かしたいWindowsのアプリがないことにWine導入をして気付きました。思い浮かぶのはWindows95時代のゲームですが、Dosbox以上にはならないと思っています。Windows全盛期の時には、様々なWindowsアプリを利用していましたが、現在はスマホに移ってしまい、PCで動かす専用アプリは減っていると実感しました。
ふと、iTunesのWindows版を導入しようと思ったのですが、MicrosortのアプリサイトからのみDownloadできるように変わっています。何かないかと考えて、IT機器ベンダーが提供するユーティリティを動かせないかと思いました。Windows用とMac用は提供されますが、Linux用は提供されることがありません。試しにWindows版をDownloadしてInstallしてみました。Installはできましたが、実行はできませんでした。PC単体でなくネットワークを利用するものは難しいようです。
次に、Acrobat Readerを試してみました。日本語版をDownload後、InstallするとInstallerの表示が文字化けして導入方法がわかりません。そこで、Wine環境に日本語を追加した上で導入作業をすると、Acrobat ReaderのインストーラがWindowsのレジストリを利用しているようです。Wine環境にWindowsのレジストリは存在しないようで、インストーラが正常処理ができなくなり、終了してしまいました。setup.exeや.msiを利用したインストールはWine環境では利用が難しくなっています。
そこで、PCの性能評価をするhdbenchは昔よく利用していたことを思い出しました。Downloadするとlzh形式ですが、問題なく解凍できます。Installerはなく、exeを実行するだけです。こちらはterminal上にエラーを出力しますが、処理は実行されました。このことからアプリケーションが利用するWindowsのAPIを準備できても、その実行環境を決定するInstallerが介在するものはWineで動かすことが難しい気がしています。
このことを踏まえると、ベンダー提供アプリでなく、ユーザーが開発したWindows上のアプリを動かすことならばWineで十分だと思います。
3.所見
Wineを利用するとWindowsのアプリケーションを実行できると考えていましたが、Windowsが32bitから64bitへ移行したことにより、互換性の追従からオンラインゲーム分野などへ特化した気がします。Wine自体の方向性が変わったことも影響があると思います。
4.追加
(1) Wine開発版への変更
上記導入手順の下記行を
$ sudo apt install --install-recommends winehq-stable
次のように変更すると開発版を導入できます。
$ sudo apt install --install-recommends winehq-devel
(2) ubuntu 26.04にWine 11.13を導入
ubuntu 26.04に変更するために、5行目のsudo wget -NP.....の部分を変更しました。
winetricksの導入まで問題なく実施できました
$ cat /etc/os-release
$ sudo mkdir -pm755 /etc/apt/keyrings
$ wget -O - https://dl.winehq.org/wine-builds/winehq.key | sudo gpg --dearmor -o /etc/apt/keyrings/winehq-archive.key -
$ sudo dpkg --add-architecture i386
$ sudo wget -NP /etc/apt/sources.list.d/ https://dl.winehq.org/wine-builds/ubuntu/dists/resolute/winehq-resolute.sources
$ sudo apt update
$ sudo apt install --install-recommends winehq-stable
$ wine --version
$ sudo apt install winetricks
$ winetricks cjkfonts
$ winetricks --version
5.補足
(1) Wine利用時のデスクトップアイコンの作成方法
Wineを利用してWindows時代のProgramを動かすとき、Terminalを起動してコマンド起動することは少し面倒です。Windowsになれた方がUbuntuへ移行したときにDesktopのショートカットアイコン作成がマウスクリックだけでできないことに気付いてガッカリされることも多いと思います。ショートカットアイコンの作成方法をネットで見つけたので試してみました。その内容を記述します。
Wineを導入して、usernameでapp.exeを導入されていることを前提とします。
$ wine app.exe
インストール先を以下のように指定したとします。
C:\program\app.exe
Terminalでコマンドラインで実行する場合は以下のようになります。
$ wine /home/username/.wine/drive_c/program/app.exe
これをDesktop上のショートカットアイコンで起動します。
(b) 起動シェル用ディレクトリ作成
$ mkdir /home/username/program
上記ディレクトリにapp.shを作成します
#!/bin/bash
wine /home/username/.wine/drive_c/program/app.exe
さらに、実行権限を付与します。
$ chmod +x app.sh
(c) Desktop ディレクトリに定義を作成
$ cd /home/username/Desktop
app.desktopを作成します。
[Desktop Entry]
Name=app
Comment=program
Exec=/home/username/program/app.exe
Terminal=False
Type=Application
(d) 起動許可設定
Desktop上にapp.desktopが表示されています。
アイコンを選択して、右クリック => 起動を許可する
を実行すると、アイコンはappに変わります。
ダブルクリックするとapp.exeを起動できます。
$ wine app.exe
インストール先を以下のように指定したとします。
C:\program\app.exe
Terminalでコマンドラインで実行する場合は以下のようになります。
$ wine /home/username/.wine/drive_c/program/app.exe
これをDesktop上のショートカットアイコンで起動します。
(b) 起動シェル用ディレクトリ作成
$ mkdir /home/username/program
上記ディレクトリにapp.shを作成します
#!/bin/bash
wine /home/username/.wine/drive_c/program/app.exe
さらに、実行権限を付与します。
$ chmod +x app.sh
(c) Desktop ディレクトリに定義を作成
$ cd /home/username/Desktop
app.desktopを作成します。
[Desktop Entry]
Name=app
Comment=program
Exec=/home/username/program/app.exe
Terminal=False
Type=Application
(d) 起動許可設定
Desktop上にapp.desktopが表示されています。
アイコンを選択して、右クリック => 起動を許可する
を実行すると、アイコンはappに変わります。
ダブルクリックするとapp.exeを起動できます。
参考
[外部サイト参照]
・LinuxなどでWindowsアプリを動かす「Wine」がメジャーアップデート、ゲーム性能が向上、新しい「WoW64」も完成
・wikis/Debian-Ubuntu
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